○ぱっCさんから頂きました○
  
  

  
  

一息、溜息をついた土方は、
見ていた書類を机の上に投げ出した。

ばさり、と音がし、傍らに控えていた斎藤が
無表情で見ている。

「ったく、まだ書類があるのかよ?
こうして見ていても、提出してくるのはロクな内容じゃねぇぜ。
ちっとは、歯ごたえのある報告する奴は、いねぇのかよ?」

斎藤は静かな口調で言った。

「これから出て来るかもしれません。
一通り、御覧になり――」

「フン、大方目を通してやったんだ。
なぁ斎藤、これがつまらねぇ書類なんかじゃなくて、
恋文だったら、少しは面白味が出てきて、
読むのも楽しくなるとは思わねぇか?」

「いいえ…」

全く、と続く言葉は飲み込んだ。

いきなり何を言い出すのかと思えば…。
今時、手書きの恋文を書くなんて、
滅多にいない。

「相変わらず面白味に欠ける野郎だな。
まぁ、見るからに恋文なんざもらった事のなさそうな奴に
言っても仕方ねぇか」

自分トコの秘書にも、もらった事ねぇんだろう、と
土方が、さも嫌味っぽく笑いながら言った時、
わずかに斎藤の眉が寄った。

しかし普段どおり無表情を装い、
聞いていた斎藤だったが、
ふと視線を窓の景色に向け、
思い出したかのような口調で、
話し出す。

「そういえば、ある男が自分のもらった多数の恋文を
幼なじみに、くれてやったという話を聞いた事があります」

それまで嘲笑っていた土方の笑みが消えた。

「その男の単なる自慢だったんでしょうが、
幼なじみは、やる事が大の大人とは思えない、
本当に子供みたいな人だ、と笑っていたそうですよ。
全く世の中には、そんな変わった男もいるものだと――」

「斎藤…」

机の上で手を組んでいる土方の表情は、
完全に強張っている。

それは、まんま俺じゃねぇか…

「それでは明日までに、まとめておいて下さい」

斎藤は机の上に広がる書類を一瞥した後、
慇懃無礼に一礼し、
そのまま部屋を出て行くように思えたが、
ドアの前まで来ると、足を止めた。

「ああ、言い忘れていましたが…」

振り返り、ニヤリと嗤う。

「その男は、決して上手いとは言えない俳句もたしなむそうです」

「おとといきやがれっ!!!」

廊下まで副社長の大音声が聞こえたらしい…。


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またまたぱっCさんから
素敵なイラストをいただいてしまいました〜vv

今回は土方副社長です^^

書類を見てるお姿が、

「仕事が出来る男!!」

って感じがしますよね!!

斎藤先生も捨てがたいですが、
やっぱり土方さんも良いのですよっ
何と言っても写真が残ってますしねぇ…ふふふvv

下の駄文は、思いつきで書いてしまったものです。
(イラストのイメージをぶち壊して、すいませんm(__)m )
別名「斎藤先生の逆襲編」(オイ)
史実で、土方さんが故郷に
様々な女性からもらったたくさんの恋文を
一文添えて送ったというのを
パロってしまいました。
今時、恋文なんて書く人いませんがね…^^;

副社長が

「手紙は、やっぱり手書きに限るな…」

と、もらした一言が女性社員の間に、たちまち広がり、
手書きのお手紙が、
たくさん届くようになったという勝手な設定を
でっちあげてます。


ぱっCさん、どうもありがとうございました〜♪

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